振袖での立ち居振る舞い

振袖の美しさをひきたてる基本マナー

振袖の特徴を知って、動きのコツを学ぶ

普段、着物を着ない人が振袖を着て動きがぎこちなくなるのは仕方がありません。
本番の成人式までに、振袖を着てもしなやかに、品の良い動きができるように、立ち居振る舞いのポイントを押さえておきましょう。
それが美しい振袖姿をつくる基本になります。

~ 立ち姿の美しさがすべての基本 ~

背筋を伸ばして、お尻を軽く締め、肩の力は抜いて手を自然に下ろして立ちます。手の指はそろえ、身体に軽く沿わせます。このとき大事なのは目線で、いつもより気持ち下を見るようにすると、振袖を着た若い女性の初々しい雰囲気が自然に出てきます。この立ち姿のポイントがすべての基本になります。また、洋服を着ている場合にも当てはまるので、普段から意識して生活していると身についてきます。

~ 座敷に正座するとき ~

座敷に正座をする場合は、裾が乱れないように注意しましょう。振袖の前裾を軽く持ち上げ、膝から前の余裕をつくってから膝を曲げて座ります。右手で膝下あたりを押さえながら座ると裾が乱れません。座っている間は、袖を軽く左右、または後ろに流し、両手を膝の上で自然に重ねます。
正座をした状態から立ち上がるときは、両手を膝の上に乗せた状態で腰を浮かせ、両足のかかとを同時に上げてつま先を立てるようにします。この姿勢を跪座(きざ)といい、座布団をすすめられたときなどに、正座状態から跪座になり、両手を座布団の上について座布団の上に体重を移動して座ります。

~ イスに座るとき ~

イスに座るとき、特にソファーのように低く、クッションのソフトなイスに腰かけるときは裾が広がらないように十分注意しましょう。振袖の上前を少し上げ、振袖の後ろに手を添えてイスに腰を下ろします。
また、背もたれがあるイスの場合は、深く腰かけると帯の形がつぶれてしまいます。イスの座面半分くらいのところにお尻をのせる感じで、背筋をのばして腰かけます。振袖の長い袖が床にふれないよう、膝の上に重ねて置くようにするのも基本です。

~ 階段の上り下りの場合 ~

振袖のときは、できるだけ階段は使わないようにしましょう。エレベータが混んでいるから、階段で!というせっかちは禁物です。とはいっても階段を使わなければいけないときは、長い袖と裾を踏まないように気をつけます。袖は重ねて左か右の腕にかけ、裾は、足首やふくらはぎが丸見えにならない程度に少し持ち上げます。草履を履き慣れていない人は、特に下りに転ばないように注意しましょう。晴れ着が汚れ、悪くすると怪我をしてしまいます。必ず階段の手すりをつかんで上り下りしましょう。身体を少し斜めにすると、上り下りがしやすく、動くも美しく見えます。