日に日に秋が深まり、山々も秋の装いから冬へと衣替えを始めた今日この頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか?

日本には四季がありその季節ごとにいろいろな景色を楽しむことができますが、振袖も古典的な柄からモダンな柄まで様々な柄を楽しむことができます。そこにお嬢さんの好みやどんな風に自分を演出したいか、またはパンフレットの中で見つけたお気に入りの振袖と似たムードのもの、はたまたおばあちゃんやお母さんの夢や希望などをふまえてとっておきの一枚を選んでいきます。その振袖選びの時によく<古典>や<モダン>ということばを耳にしませんか?でも実際にどんな柄が古典でどんな柄がモダンなのか、どんな柄がいいのかなかなかわからないお嬢さんも大勢いらっしゃると思います。

そこで今日は振袖の柄についてちょっとだけお話しさせていただきますね。

まずは<古典柄>

日本に古来から受け継がれてきた日本の伝統と格式を誇る色と柄を指します。

*吉祥文様・・・おめでたい、縁起が良いという意味を表現した文様で縁起が良いとされる「松竹梅」や「鶴」・「亀」・「鳳凰」・「龍」・「宝尽くし」

などがあります。

また、「扇」・「短冊」・「鼓」・などもこれにあたります。

*有職文様・・・平安時代の学者などが着用していた平安装束に施された模様で「菱文」・「花菱」・「七宝」・「唐草文」などがあります。

*辻が花・・・絞り染めを施した生地をベースとして描き絵や刺繍などを用いた華やかなものです。

起源は室町時代ですが久保田一竹氏によって編み出された「一竹辻が花」が現代の日本ではイメージされるようです。

古典柄というと「渋くなってしまうのでは?」と思われる方もいらっしゃることかと思いますが、柄の組み合わせや配置、色使いによっていろいろな雰囲気の振袖がありますし、帯や小物のコーディネートによってとても華やかに仕上げることができますのでご心配なく・・・

古典柄の振袖をほんわかした可愛い系にも、きりっとしたかっこいい系にもアレンジできます。

次に<モダン柄>

最もよく知られている意味は「現代的な」・「現代的である」でもっと砕けた意味でとらえるなら「今風の」でも良いそうです。

ここで言うと「今風の柄をモチーフに使った着物」ということになります。

柄に使われるモチーフは薔薇やカサブランカのような洋花や蝶・リボン・ハートなどがあります。また色使いも独得です。

モダン柄というと「ケバくなってしまうのでは?」と心配するお声も耳にします。たいていの場合<モダン>というイメージからで、実際に着てみるとそのイメージも覆されるようです。今風の中にも上品さと20歳の可憐さをちょっぴり表現できるように帯や小物を合わせていきます。

そして<レトロモダン>

古風ななつかしさの中に近未来を思わせる、古さと新しさの両方を感じさせる柄。ちょうど古典とモダンの間に位置するような感じでしょうか。

柄のモチーフは梅や七宝などの古典柄が使われ、柄一つ一つのサイズ感や配色を変えることによってどこか懐かしい、でも新しい・・・そんな柄になっています。

ちょっとみただけでは「着る人を選びそう」なんて思う方もいらっしゃいますが小柄な方、身長の高い方、それぞれに似合う柄、柄のバランスなどがありますので心配せずに試着してみることをお勧めいたします。

(ママ袖(ママ振袖)は大きく分けて古典とモダンに分けることができます。この場合は小物や帯を変えることによって新しいイメージに変えていくことができます)

今の時代は振袖の柄といってもなかなかひとことでは言い表せないくらいの種類があります。カタログを見ても古典やモダンのほかにもいろいろな表現で振袖を表しています。カタログやネット上の画像だけでは選ぶことが難しいものなのでお店に行って試着してみることが大切だと思います。

どんな柄が流行りか…も、大切かもしれませんがお嬢さん本人が気に入ってくれて、飛び切りの笑顔を見せてくれる柄が一番だと思います。オンリーワンがナンバーワンなのです。

振袖は美しさをひきたてることもさることながら無病息災などの願いが込められている着物です。

大切に育ててくれたご両親、温かく見守ってくれたおじいちゃん・おばあちゃん、久しぶりに会う友達など皆さんから「ステキ!」と言っていただける振袖、そして何より成人という特別な日を彩る特別な装いである振袖。そんな振袖選びはとてもわくわく・ドキドキする楽しいイベントの一つといってもいいのではないでしょうか。そして、その振袖を着ての前撮り撮影はご家族皆様の記念にもなります。せっかく迷いながら選んだ振袖なのでたくさん着ていろいろな人に見ていただきたいと思います。

そして願わくばそのお手伝いができますように・・・