上の写真1は誰もが一度は聞いたことのある手描き京友禅の振袖です。
近年振袖の価格はドンドン下がる傾向がありましたが、最近チョット様子が変わって来ております。

価格が下がる理由としてマシンによる人件費の削減と物流形態の簡素化 そしてレンタルなどが考えられます。

しかしまだ記憶に新しい大型レンタル店の倒産を機にレンタルに対する不安が増し購入も視野に入れてお考えのお母様が徐々に増えてきています。当然購入となると気になるのがクオリティです。

そこで今回は、逸品ものと言われる高額な振袖に用いられる柄とそこに込められた意味を一枚の振袖から解説したいと思います。

藤(ふじ)


古来日本では、藤の花の紫は高貴な色とされています。藤は繁殖力が強く、他の樹木に絡みながら伸べていくことから長寿、子孫繁栄の象徴とされてきました。

また、「ふじ」は不二、不死につながることから、古くから名前や家紋にも取り入れられてきました。

橘(たちばな)


古代日本の橘は蜜柑(みかん)のことです。『古事記』には不老不死の理想郷である「常世(とこよ)の国」に自生する植物と記されており、橘は長寿を招き、元気な子どもを授かると信じられてきました。

正月の鏡餅の上に蜜柑がのせられるのもそのためです。また、婚礼衣装や掛け袱紗(ふくさ)などに橘が意匠化されて用いられているのも、そうした由来によるものです。
文様化されるのは平安時代からです。不思議な力を持つ常世の国で育つ橘は、つぼみと花、果実が同時になる植物とされ、文様にも花と果実が一緒に描かれます。
京都御所の紫宸殿(ししんでん)に植えられた「右近の橘」はよく知られています。吉祥文様の多くは中国から伝わったものですが、橘は日本で生まれた数少ない文様のひとつといわれています。

一般的に果実をつけた橘の木そのものが文様化されるのが特徴で、江戸時代には、熨斗(のし。記事はこちら)や鶴菱(つるびし。記事はこちら)などの吉祥文様と橘を組み合わせた小袖が人気を呼びました。

 

桜 (さくら)


実は、桜(さくら)の語源は、「さ」は『田(稲)の神』を意味し、「くら」は『蔵、倉、鞍』など、坐するところを意味します。つまり、桜は田(稲)の神様のよりしろなのです。
田の神に「さ・け」と「さ・かな」をささげ、日本人にとって一番大切な稲・米の豊作を祈願したのです。これが花見の起源と言われています。

桜の文様は五穀豊穣を表した吉祥文様で、とても目出度い文様なのです。ですから、桜の文様(柄模様)の着物は、春に限らず、いつでも着られます。江戸時代の夏物の薄物にも桜だけを描いた着物が残っています。

菊(きく)


見た目も美しくかぐわしい香りがするため、まさに着物にぴったりの花。長寿を象徴する代表的な花。

長寿の象徴であるほか、無病息災、邪気払い、心身の安定などさまざまな意味をもっているのも菊の特徴です。

菱形や丸と組み合わされることも多いです。菊は秋の花とされていますが、季節を問わず用いることができます。丸い形が太陽を思わせることから、花柄のなかでももっとも位の高い花として用いられています。

菖蒲(しょうぶ)


菖蒲は古くから解毒作用がある薬草として人々から重宝されていました。
そして菖蒲の葉のもつ香りは厄災を払うとされ、魔除けのお守りであると信じられていました。

5月5日の端午の節句に菖蒲を飾ったり、菖蒲酒を飲んだりするのも、魔除けの意味から着ている習わしです。

牡丹(ぼたん)


とっても豪華な百花の王、牡丹の花は「幸福」「富貴」「高貴」を意味します。小さな丸いつぼみから大輪の美しい花を咲かせるのが由来の理由。
ゆえに豊年の兆しとなるめでたい花「瑞花」として、幸福や富貴の象徴として描かれてきました。また、牡丹の「丹」は不老・不死の仙薬を意味することから、不老不死、不老長寿という意味も持っています。
特に、牡丹と唐草を組み合わせた牡丹唐草文様は室町時代から近世まで、唐草を代表する文様として人気でした。

 

笹文(ささもん)


笹の種類は竹よりも多いといわれ、一般的には熊笹や粽笹(ちまきざさ)などが知られています。竹に比べて背が低く茎が細く、青々と繁る葉に特徴があります。

文様としてはその印象的な葉を図案化したものが主流になっています。

 

梅(うめ)


梅は中国原産の花木で、奈良時代初期に日本にやってきました。厳しい冬を耐え忍び、後の春に美しい姿を見せてくれる梅の花。

「忍耐力」や「美」を表す、美しくも力強い花。 実は梅(うめ)には、「産め」との掛詞から、安産祈願も込められているのです!

中国では逆境に耐える人生の理想とされ、日本でも『万葉集』に多く詠まれ、縁起のいい花として愛好されてきました。

また、学問の神様とされる菅原道真(すがわらのみちざね)が梅の歌「こち吹かば匂いおこせよ梅の花あるじなしとて春をわするな」と詠んだことから、梅の花は道真公の象徴となりました。

多彩な梅文様は、単独のほか、さまざまなモチーフとの組み合わせによって、広く使われています。

 

紅葉(もみじ)


楓は「長寿」を表します。また季節により色を変え、美しい色で人を喜ばせてくれることから「世渡りがうまく幸せになれる」という意味があります。

紅葉は桜と並んで、秋の季節感を象徴する柄です。また葉の色が変わることから変化を表す文様でもあります。

葉の色と形に趣があることから桃山時代以降に着物の柄として用いられるようになりました。ちなみに楓の名前は葉の形が蛙の手に似ていることから「かえるで」と呼ばれたことに由来するそうです。へ~

このように一枚の振袖から数多くの柄の由来や意味,人の想いが読み取れます。成人式に振袖を着ることが本人にとって最大の祝いであり、また結婚式や披露宴などに招待された時に振袖を着て出席する事その行為じたいがご祝儀になるわけです。
そういった日本の文化に少しでも興味を持っていただければ嬉しく思います。

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