ふだん、着物を着慣れない若い女性たちが、着物ならではの立ち居振る舞いを知らない、苦手なのは当然でしょう。
でも、着物の本当に美しく着る、見(魅)せるためには、着物、和のマナーを身につけておきましょう。
少し学んで、少し意識して練習すれば、気付いたときにはすてきな着物美人になっていますよ。
Lesson1
- 立姿の美しさが基本です
お腹を締め、腰に板を入れているつもりで、背筋を伸ばした自然な姿勢を心がけます。意識し過ぎて無理に胸を張ったり、肩を後ろに引きすぎたりしないように注意しましょう。着物は平面的な装いですから、正面から見たときに左右対称でないと、バランスが悪く、美しく見えません。全身が映る鏡に着物姿を映し、バランスをチェックする癖をつけるといいでしょう。
もう一つ知っておいてほしいのが、美しい姿勢は体幹の強さが決め手になるということ。できるだけ、普段からスポーツ、エクササイズで身体を動かし、筋力をつけておくことが大切です。プロのモデルさんは、和服、洋服、どんなものを着ても美しい着姿で良く似合います。その秘密は日頃の鍛え方にあります。
Lesson2
- 草履を上手に履けるようになることと、美しい歩き方はイコールです
- レッスン1の立姿を維持したまま歩くことが美しい歩き方になります。でも、その前に草履に慣れることが先決です。草履の鼻緒を親指と人差し指で軽く挟み、親指に気持ち力を入れて足を小さく振り出すような感じで、自分の足のサイズ分くらいの歩幅で歩きます。草履に慣れると、背筋を伸ばしてまっすぐ歩くだけて自然に内股の女性らしい歩き方になります。
Lesson3
- 座るときは常に帯を意識しましょう
椅子に座るときは座面に浅く腰かけ、背筋を伸ばして座ります。バッグは短時間なら膝の上で、長くなるときは背もたれと背中の間に置きます。もちろん、バッグに貴重品が入っている場合は、うっかり背もたれに深くもたれかかって壊してしまう可能性があるため、膝の上で持っていましょう。- 車のシートに座るときは
- 椅子に座るときと基本的には同じですが、車に揺られて帯をつぶしてしまうことがないように、車の取っ手をしっかり握って乗りましょう。そのとき、取っ手を握っている手の逆の手で袖を押さえ、肌があまり露出しないように注意します。
- 室内で座布団をすすめられたら
- 着物を着ていると、座布団をすすめられることが多いものですが、最初に座布団の後ろか横に爪先を立てて座り直し、着物の裾が乱れないように注意しながら膝を交互に動かしながら、座布団の上に進みます。中央にまで進んだら、片足ずつ爪先を倒して静かに座ります。座布団の上に歩いて乗るのは厳禁です。
Lesson4
- お手洗いは手順をよく覚えておきましょう
- まず袂(たもと)の中央を帯締に挟みます。または両方の袂を前で軽く結んでから裾をたくし上げます。着物、長襦袢、裾よけの順にめくり上げ、胸のあたりまで引き上げます。着物をあまり着慣れていない方は、広めの個室のトイレ、様式を選ぶようにしましょう。お手洗いから出るときには、たれがめくれていないかチェックするのを忘れずに。洗濯バサミを用意しておくといろいろ便利です。お手洗いは着物のベテランさんでも着くずれしやすい場所です。自宅で練習しておいてもいいでしょう。また、念のために設備の整ったトイレが出先のどこにあるか場所を確認しておくことをおすすめします。
Lesson5
- 階段の上り下り
- 階段の上り下りでは、裾をふまないように十分注意しましょう。裾を踏んでしまうと汚れるのはもちろん、足をとられて転び大けがをする危険があります。左右の袖をまとめて手すりを持たないほうの手で持ち、裾に注意しながらゆっくり上り下りします。